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2016-04-14

「介護保険について」R.O.F.代表 木下亮さん講演【十全社終活セミナー/袖ヶ浦】

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「人生の終焉を見つめることを通して今を自分らしく生きる」という主旨のもと、数年前から〝終活セミナー〟を開催している十全社。これまでに「葬儀と供養について」「保険の管理と活用術」「相続税について」などの内容で専門講師によるセミナーが行われてきました。
3月4日は、十全社袖ヶ浦店にて「介護保険について ~社会保障から介護保険をみる~」と題し、介護施設経営者の木下亮さん(株式会社R.O.F.代表)が講演を行いました。

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まずはじめに、高齢者の方が「要介護状態」になってしまうきっかけについて説明されました。
グラフをみると、脳血管や心臓などの「循環器系疾患」や、骨折などの「筋骨格系疾患」が多数を占めています。これらの疾患は生活習慣病からくることが多いので、日々の生活の中である程度の予防ができますが、その次に多い「認知症」はなかなか予防が難しいかもしれません。

続いて、木下さんから「後期高齢者の方が1年間でどのくらい医療費を使っていると思いますか?」との質問が。
参加者の皆さんは予想がつかないようでしたが、答えは「一人あたり年間約80万円くらい」。その医療費を支える社会保障の歳入の約4割を占める「支払基金交付金」は、現役世代からの支援金だそうです。しかし、少子高齢化により人口ピラミッドはどんどん逆三角形に変形していき、将来的には支えきれなくなるのではないかといった問題があります。

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さらに、「高齢者の生活と介護保険について」具体的に数字を出して解説しました。平成25年度の年金受給額の平均値は、国民年金が54,544円/月、厚生年金が145,596円/月です。かなりの格差があることにも驚きですが、この受給額を念頭に置いて実際の介護生活にかかる金額をみていきます。

●在宅での介護支援サービスの場合
入浴等の不自由なところを介護する「身体介護中心のサービス」場合は1時間 約390円、
買い物や洗濯・掃除などをする「生活援助中心のサービス」の場合は1時間 約225円です。
例として、「生活援助中心のサービス」を1日でみてみると、
<午前>朝食準備・薬の確認・昼食準備などで約200円、<午後>買物代行・夕飯準備などで約250円。
1日で約450円、1ヶ月で約13,500円となります。

●特別養護老人ホームに入る場合(費用は地域により変わります)
賃料+食費+介護保険1割負担=1ヶ月 約9〜10万円が最低限かかります。
しかし、特別養護老人ホームは国の基準として「要介護度3以上」(例:脳疾患などで身体麻痺があり認知症も認められるなど、症状が重複する状態)にならないと入居できません。
「要介護度3以下」の場合は、サービス付高齢者専用賃貸住宅やグループホームなどが考えられますが、賃料+食費+光熱費+見守り費などがかかり、特別養護老人ホームより高額になります。

木下さんが在宅生活を勧める理由としては、お金もかからないといった金銭面だけでなく、刺激の多い日常生活が機能訓練となり認知症予防にもなっていくといいます。いかに健康で在宅生活を続けていけるか、どのように生活を豊かなものにして歳をとっていくか、高齢者だけでなく、若い人も日頃から意識を持っていきたいことですね。
また、介護をすることになったご家族の方に木下さんは「頑張らないでください」といいます。介護する側もされる側も両方とも潰れないように、訪問サービスやデイサービス、ショートステイなどを有効に使ってくださいと伝えているそうです。

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続いて、国が推進する「地域包括ケアシステム」について話を進めました。
「地域包括ケアシステム」とは〝医療・介護・地域でしっかりと横の連携をとり高齢者を支えていくシステム〟のことです。もっと簡単にいうと、前出の「社会保障を支えきれない少子高齢化問題」などからも〝できるだけ介護保険を使わず地域で支え合うシステムの構築〟ということになります。

また、この「地域包括ケアシステム」の中に生活支援・介護予防のための「総合事業」を取り入れていくのだそうです。
例えば、介護保険までは及ばない障害を抱える方に対し地域ボランティアを活用したり、元気な高齢者のための社会参加の場を作り生活支援していくことなどになります。木下さんの経営するデイサービス施設「ロフ金田店」では、足腰が弱っているおばあちゃんでも座りながらできるアサリの殻剥きを仕事にと考えているそうです。漁師町金田ならではの提案です。生活保護受給者より厳しい生活になってしまっている、年金受給者の「見えない貧困」と言われるケースなども、こうした社会参加で改善していけるのではないでしょうか。

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また、身体的・経済的に健康な生活を送り続けるためには、生活習慣からの予防と認知症の予防が重要であり、認知症については身近な病気としてとらえ、少しでも発症を抑制する為の予防や、発症した時に支えてもらえる環境作りに一緒に取り組みましょう、とのお話しがありました。さいごに、質疑応答タイムでの内容をご紹介します。

●施設の見学などはできるのか?
「事前連絡の上、ケアマネージャーを使うと良いと思います。お試し入所などは難しいと思いますが、特養に併設されているショートステイなどを使ってみると様子がわかるかもしれません」

●介護施設で働く職員の減少はどうしていくのか?
「最終的には、外国人の技術研修者の受け入れなどの取り組みが進んでいくことになると思います」という答えに、「もっと若い人がたくさん働いてくれたら…」との声が参加者から上がり、実際に木下さんの経営する「デイサービス ロフ」で働いているスタッフの猪嶌さんの声を聞きました。
「仕事を始めた頃はまだ2人の子どもが小さく、時間的に融通のきく訪問サービスから始めました。現在デイサービスの勤務でも、お客様を送迎している間など親が不在になってしまっても、他のスタッフが子どもの面倒を見てくれたりして助かっています。」とのこと。訪問介護やデイサービスは、子育て中のママには働きやすい職種と環境なのかもしれません。

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講演後は、木下さんの経営するデイサービス施設で機能訓練の一環として行っている「カゴ作り」を体験していただきました。(カゴ作り記事はこちら

「終活」は、自分らしいエンディングを迎えるための準備であり、残された家族への思いやりでもあります。その上で、高齢者の皆さんが安心して地域で暮らせるために、「地域包括ケアシステム」のシステム作りや関係者間の連携が活発になってきていることがわかりました。高齢者の方がいるご家族の方はもちろん、将来のためにも社会保障や介護についての知識・情報を蓄えていきたいですね。

【終活セミナーお問い合わせ】
十全社 営業本部 TEL.0439-70-1141

【株式会社R.O.F お問い合わせ】
デイサービスロフ太田
千葉県木更津市東太田4-22-3
TEL.0438-42-1298

デイサービスロフ金田
千葉県木更津市中島2216
TEL.0438-53-8343

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