toggle
2015-10-28

薬剤師が考える高齢者ケア | 経営者にきく Vol.3[とみざわ薬局/木更津]

tommy

訪問介護の現場において、利用者さんが何らかの薬を飲んでいることも多いはず。ヘルパーとして悩んでしまう現場に直面することもあるのではないでしょうか。

薬が全然服用できていない・・・?
せん妄がはげしい・・・?
動作が急速に落ちている・・・?

薬が飲めているかを尋ねても、認知症の方の場合「飲んでいる」「大丈夫」という答えがかえってくるかもしれません。飲み残しがあるみたいで心配だけど、サービスの時間にも限界があるし・・・。今回は、高齢者の訪問サービスにおける薬剤師の役割について、訪問指導に豊富な実績のある、とみざわ薬局の冨沢道俊さんにお話を伺いました。

tzy3

「薬剤師の仕事は、専門的な知識で薬学的な管理をするということ。医師の処方指示通り薬を服用するだけの管理であれば、薬剤師でなくてもできてしまいます。私達は安全な薬の管理を指導し、服用後の効果、副作用チェック。ADLやQOLへの影響を評価し、服薬の管理をしています」

医師、看護師、ケアマネ、ヘルパー、病院薬剤師らと連携・情報交換・情報共有を図り、利用者さんの生活を支援しています。調剤や管理方法の選択を見極めるためには、日頃の体調チェックが欠かせません。高齢者が薬を飲めない理由には、いくつかのパターンが存在するといいます。代表的な例が、残薬や併用薬が多くなりすぎ整理がつかなくなったというケース。

「この場合、まずは残薬を重複や相互作用、併用禁忌などに留意しながら整理していきます。科目の違う複数の病院から処方された薬の影響で、ふらふらになっている方というのは実は珍しくありません。すぐに医師など関係する方々に連絡をし対応します」

機能低下により服用が難しいため、飲んでいなかったというケースも。飲まないのではなく、飲めない。これは日頃のコミュニケーションの頻度により、見極めが難しいこともありそうです。滅多に会わないお医者様に錠剤が飲めるか聞かれて、つい「飲める」と言ってしまう高齢者も少なくないのではないでしょうか。

「嚥下の機能が低下して錠剤が飲み込めないことがあります。同じ成分の薬を、ゼリー製剤など違う薬に変更したり、簡易懸濁法等の手法をとれば、飲める場合もたくさんあるんです。症状が良くなり、リハビリを取り入れ機能が向上すれば、再び錠剤が飲めるようになり治療の選択肢が広がることも期待できます」

tzy2

ヘルパーやケアマネージャーからの提案で、薬剤師が訪問サービスを行ったことでQOLが向上したケースもあります。

「認知症進行中の女性ですが、4ヶ所の医療機関を通院介護のもとで受診していた為、どの薬がどの医療機関のものかすぐにわからなくなっていました。服用状況かなり悪く、便秘、睡眠障害、うつ、転倒、ADL低下がみられます。訪問リハさんより、薬剤師による介入が有効では?と提案があり、服用状況を改善したところ、体調も落ち着きADLも上昇しました」

そのまま放っておけば、体調が悪化し認知症も進行していたかもしれません。他業種のスムーズな連携により、利用者さんにより良い生活のサポートができる体制を整えておきたいものです。薬剤師の訪問はどのようにすれば、始められるのでしょうか。

「まずは調剤している薬局に相談してください。あるいは本人が選んだ薬局、対応が難しい場合は薬剤師会にご連絡いただければと思います。訪問対応が可能な薬局については、千葉県薬剤師会HPの薬局リスト訪問可能薬局一覧より参照できます」

薬剤師が訪問を行うと介護保険の限度枠を超えてしまうのでは?と思うかもしれません。しかし居宅療養管理指導費は、限度枠外のサービスです。限度枠を超えても1〜2割負担であることは、覚えておきましょう。

訪問薬剤管理指導料=医療保険
居宅療養管理指導費=介護給付
介護予防居宅療養管理指導費=予防給付

ポイントはこの3つが存在しているけど、サービスの内容は同じだということ。請求先が要介護認定の有無で違ってきます。

「医師が往診していない患者さんでも、薬剤師の訪問サービスは受けられるんですよ。ただし、点数・単位数を算定できるかどうかについては、通院困難であること、そして医師の指示があることが必須です。まずはケアマネージャーや薬剤師と相談して進めるのが良いと思います」

tzy2

疾病管理のための薬が服用されないということは、体調が維持できない問題という観点のほかに、医療費の無駄という捉え方もできます。

「国内の残薬は年間400〜500億円以上相当とも言われています。これは勿論、私達の税金で補填されています。介護保険や制度のあり方が問われている現在、介護に関わる私達一人ひとりが当事者として考えていくことが大切だと思います」

これからの高齢者社会において、利用者をとりまく他業種連携の重要さは、ヘルパーのみならず身に沁みて感じているはず。プロ同士が自分の得意分野を発揮しながら連携し、相談できる地域の輪を広げていくことが第一歩かもしれません。

とみざわ薬局 大和店
千葉県木更津市大和2-1-10
TEL:0438-38-3780
営業時間:平日9:00~17:30 土曜9:00~14:00

関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です