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2015-09-09

ipad を活用した機能訓練 | 高齢者が活躍する社会を目指して | 経営者にきく Vol.2[太陽デイサービス燦燦/木更津]

100%を120%にするアイディア

「さる!あと、ゾウもいたわね」「ここに書けばいいの?つい力が入っちゃう」
おしゃべりをしながら、和気あいあいとipadを操作する高齢者達。

このエリアではいち早く施設にipadを取り入れた「太陽デイサービス燦燦」。
民間企業ともタッグを組んでスタートした、第1回目のプログラムでは
少し戸惑いながらも、新しいことに楽しんでチャレンジする利用者達の姿があった。

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そんな姿を温かい目で見守り、ときには「ここを押すんですよ」とサポートするのが、代表の遠藤太一さんだ。
高齢者と障害者の通所施設を経営する中で、共に支え合う地域のあり方を模索してきた。
いま「元気なお年寄りがもっと元気になり、ずっと暮らせる町へ」という思いがあるのだという。

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ipadはただのきっかけ 世界を広げて楽しみをみつけてほしい

施設を利用する高齢者といっても、必要とする支援は人それぞれ。

「現在は施設を利用されていて、ipadが使える、操作ができる人というのは限られているんですよ。ただ、それができる人というのは、それ以外のこともできるはずだと思うんです」

まだまだ、様々なことが出来るはずなのに独りで家に閉じこもり、心身ともに衰えていく。そして認知症がどんどん進み、あっという間に介護が必要になってしまう。世間では、そんな高齢者が後を絶たないのだ。

「だからまずは、新しいことに興味を持って来てもらうこと。でもそれはゴールではない」そのために、遠藤さんが目をつけたのがipadだった。タブレットやスマートフォンを使うことができれば、日常的にたくさん情報の得られ、多くの人や世界と繋がることができる。若い世代との交流が希薄になった現代では、コミュニケーションのツールとしても有効かもしれない。

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役割があればもっと元気になる シニア層に活躍の場を提供したい

「今日の参加者にも、うちに来る前はずっと引きこもっていたという人がいます。でも、『みんなと一緒にごはんを食べることが嬉しい。大勢で食べると楽しい』と、今では毎週楽しみに通ってくれるようになりました。初めて会ったときより、ずっと元気ですよ」

高齢者が自身の役割がなくなったと痛感した途端、一気に殻に閉じこもり老け込んでしまうというのは、よく聞く話だ。孫達の面倒を押し付けられるなら、まだ幸せなのかもしれない。核家族化が進み高齢者の独居が増える現代において「役割」を見つけることは、誰にでも簡単にできることではない。

「例えば、このipad講習だって施設のスタッフじゃなくて、元気なシニアが行うことだってできる。学校の先生や自治会の役員だった人など、人前で話したり世話をするのが得意な人は大勢いますからね。きっかけがあって本人のやる気に繋がれば、将来そこに雇用を生むことだってできるんです」

世間では介護施設の人材不足も問題になっている。
あと少し、かゆいところに手の届くサービスをしたいのに、人手が足りない。
現場で働く人なら、感じたことがあるかもしれないジレンマ。
もしかしてそんな想いを叶える、糸口にもなるのかもしれない。

「ほかにも施設内での目の不自由な人の付き添いや、近所への送迎など、できることはたくさんあります。フルタイムでは働けないけど、1〜2時間の手伝いならしたいと思う人はいるのではないでしょうか。これは、高齢者に限らず子育て中のママさんにもいえることかもしれません」

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やりっぱなしはもう終わり 発展性のある予防事業が求められる時代

この日講師を勤めたのは、株式会社ジェイシー教育研究所の掘洋一さん。
福祉の国家資格対策など、教育プログラムやデータベースを開発している。

「今まで、こういった施設でのITやアプリの活用は、提供側も使う側も「やりっぱなし」ということが少なくなかった。きちんと結果を出し、次のステップに繋げようというスタンスに共感しました。私はこれから介護職を志す人をサポートしていますが、高齢者が楽しく暮らせる世の中を作りたいという気持ちは同じです。これからも協業して、いろいろなことにチャレンジしていきたいですね」

介護保険法の改正により、行政の方針も介護予防に力を入れる方向へシフトする。
より発展性のある事業のあり方を、事業者が真剣に考えるターニングポイントなのかもしれない。

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「最初は(画面に)うまく書けなかったけど、コツをつ掴めばできそう」
「新しいことを始めるのは楽しいね、ありがとう」
約2時間のトレーニングを終えて、参加者の評判も上々のようだ。

最後に遠藤さんが語ってくれた。

「将来は農業にも挑戦してみたい。元気なお年寄りに、野菜の作り方を教えてもらい利用者と一緒に育てたいですね。そして、おいしくて安全な野菜を地域の子ども達にも食べてほしいです」

共に支え合い、高齢者から学ぶ社会へ。
熱い想いが溢れる取り組みに、今後も注目していきたい。

太陽デイサービス燦燦
千葉県木更津市貝渕1−9−3
TEL 0438-38-3222

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